ポケモンスナップとそれ以外のことを書くブログ

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【ポケモンスナップ】カビゴン世界記録が20年ぶりに更新。23人いた世界一位が1人だけに。

※この記事は2019月5月21日時点の話を書いています。

 ニンテンドウ64の『ポケモンスナップ』といえば今年で発売21周年を迎えた紛れもないレトロゲームであるが、今なおゲームの研究や新作の開発までもが行われている現代も生き続けている名作ゲームである。

 そんな名作ゲームで2019年5月21日、20年間更新されておらず、もはや更新は不可能と思われていたカビゴンのハイスコア世界記録が更新されるという大事件が起きた。

 

なぜ大事件なのか

 この新世界記録が達成されるまではカビゴンの世界記録は4040点で、ハイスコア記録が投稿されるCyberScoreにはなんと23人もの人間が4040点の達成報告を提出しており、世界記録保持者が23人も横並びで存在する状況であった(私もその内の一人であった)。
 この4040点の記録はゲームの発売年である1999年に発刊されたアメリカのゲーム雑誌に既に掲載されていた記録と同点であり、世界記録タイとして20年間不動であった(この動画のコメント欄参照。コメント者は世界トップクラスのプレイヤーで仲間ニャースの発見者でゲーム雑誌収集家でもある。仮にこれが誤りでも14年ぶりは確実)。
 
 そんな不動の記録であったが故に今回の世界記録更新は界隈を震わせる大事件となったのである。

 

なぜ更新不可能と思われていたか

 カビゴンは理論的には4400点まで取れる可能性があるポケモンである。しかし、数多のプレイヤー達が20年間挑戦しても、4040点までしか取ることができなかったため、プレイヤー達はこれが最高点だと考えていた。

 ここで4400点の根拠を一度説明しよう。
 ポケモンスナップでの採点は以下の5つの要素に基づいて計算される。
  1. スペシャル (ポケモンの種類により上限が異なる)
  2. おおきさ  (上限1000)
  3. ポーズ   (ポケモンの種類により上限が異なる)
  4. テクニック (〇か×)
  5. なかま   (上限はおそらく仲間数×1000)
計算式に表すと
    (スペシャル+おおきさ+ポーズ)×(テクニック〇なら2、×なら1)+なかま
となる。
 
今回のカビゴンに当てはめると、
  1. スペシャル (なし)
  2. おおきさ  (上限1000)
  3. ポーズ   (1200)
  4. テクニック (中央で撮影できるため2倍)
  5. なかま   (なし)
    (0+1000+1200)×(2)+0=4400となる。
 
 
 このため理論上は4400点までは可能性が存在するのである。
 しかし、可能性はあるものの、多くのプレイヤーがポケモンスナップのセオリー通りに撮影しても4040点すら超えることが出来なかったため、不可能(ないしは到達できるかどうかすら分からない点数の獲得に労力を割くモチベーションが無い状態)と思われていた。

 

どのように更新されたか

 カビゴンの世界記録更新のために変動する値は大きさ点しか存在しない。
 そのため、まずは旧世界記録タイと新世界記録のカビゴンの大きさを見比べてもらいたい。
 
???「全部同じじゃないですか!」
 
 大きさどころか構図も同じに見える。新世界記録の方はカビゴンが少し中央に寄っているが、カビゴンの大きさが異なっているようには思えない。むしろポケモンが中央によるとスクエアヘッド効果により大きさ点が小さくなる傾向にあるため逆効果にすらなるはずだ。そもそも4040点の他の写真には新世界記録と同じ程度のx軸でカビゴンを撮影した写真(以下添付写真)も存在するため、x軸の問題でもなさそうだ。
 つまりよく分からない。
 
 今回新世界記録を叩き出した黒歌鳥氏にも質問してみたところ、全く持って分からないという回答だった。
 そもそもカビゴン自体が特殊なポケモンであり、ポケモンスナップの汎用的なセオリー通りの撮り方で撮っても4040点にすら届かず、皆「なぜこの撮影方法が(事実上の)最高得点になるのか分からない」という撮影状況であった。そんな状況で更新要因が分かるわけもない。

 

同様に更新が期待できるポケモン

 ハイスコアアタックでは大きく分けて2種類のポケモンが存在する。理論値が存在するものとしないものの2種類だ。
 理論値というのはゲームシステム上、そのポケモンで取れる最高点のことだ。理論値が存在するポケモン(=はっきりと分かる上限点が存在するポケモン)とは主に、仲間が存在せず且つ大きさ1000点が取れるポケモンが該当する。例えばラッキーのようにコースに1匹しか存在せず、且つ大きさ1000点を取ることが出来るポケモンがそうだ。
大きさ1000、ポーズ1200、テクニック〇
(1000+1200)×2=4400
 
 反対に、仲間が存在するポケモンや大きさ点が1000に達しないプリンのようなポケモンについてはシステム的な上限値を取ることが出来ないため、理論値ポケモンではないとされる。
 しかし、そうであるにも関わらず、これ以上の更新が怪しまれて実質的に理論値ポケモン同様の扱いを受けているポケモンたちがいる。今回のカビゴンに加え、リザードンラフレシアディグダである。
 このポケモンたちは仲間が存在せず、今まで確認された大きさ点が1000点に達してもいない、同率世界一位が何人も存在しているカビゴンと同じ状況にある。20年間更新されていなかったカビゴンほどではないにせよ、リザードンラフレシアは大きさ点を最低単位の10点更新すれば満点となり、文句なしの理論値獲得となるため大ニュースとなる。

 

最後に

 今回新世界記録を叩き出した黒歌鳥氏にインタビューをさせていただいたため、その内容を掲載しておく(インタビュー内容は新記録達成当日に行ったもの)。
 
ーー挑戦した動機は何ですか?
黒歌鳥「チャレンジスコア挑戦中に点数を確認するために提出したら偶然出ました。
 
ーー今後挑戦したいこと
黒歌鳥「3匹ウインディをちゃんと撮れたらハイスコアに一度区切りをつけ、チャレンジスコア、30万点RTAに挑戦する予定です。
 ※その後全て実行に移されました。
 
ーー最後に何か一言ください。
黒歌鳥「みんなもカビゴン4060撮ろう!」
 ※2020年12月29日現在、4060達成者は3人になりました。
 
 
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